ベトナム、屋根設置型太陽光発電を推進へ
ベトナム国内において、屋根設置型太陽光発電の導入が加速している。とりわけ、ベトナム商工省および各省庁による政策支援のもと、工場や公共施設の屋根を活用した電力自給型の再生可能エネルギー供給が注目されている。
2025年3月に施行された政令58号では、企業や個人が自家消費目的で太陽光発電設備を設置することを奨励しており、屋根スペースの貸与にも制限はない。この背景から、ホーチミン市の工業団地内ではすでに500件近くの設置実績があり、合計出力は約46MWpに達している。EVNHCMCやFDI企業、大手製造業も相次いで導入を進めており、今後の伸びが期待される。
一方で、現行制度では余剰電力の売電は最大20%に制限されており、企業側からはこの上限の引き上げを求める声も出ている。特に、Samsungや東南工業団地などの大規模企業は、蓄電や電力使用の最適化によって昼間のピーク電力を賄う計画を進めており、コスト削減効果が大きい。
また、公共施設における取り組みも進行中であり、ホーチミン市では病院や学校など430棟の建物に太陽光パネルを設置する計画が進められている。事業費は640億ドンにのぼる。
EVN(ベトナム電力公社)によると、化石燃料由来の発電コストが4,000~5,000ドン/kWhに達することもあり、再生可能エネルギーによる自家発電はコスト削減に寄与するだけでなく、電力供給網全体への圧力を軽減するという。
このように、屋根設置型太陽光発電はベトナムにおけるエネルギー政策の転換点を象徴しており、自家消費型モデルを中心に、今後ますます拡大が見込まれる。
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