はじめに
ベトナムのレストランチェーン市場は、所得の増加、都市化、観光業の成長によって牽引される、ダイナミックで急速に進化している市場である。この活気あるグルメ市場には、多様な好みや嗜好に応える数多くの地元レストランチェーンが存在し、中でもアジア料理が最も人気である。広東式点心や日本の焼き料理、韓国の火鍋など、これらのチェーンは伝統的な味と斬新な食体験の融合を求める需要の高まりを反映している。本記事では、ベトナムの食卓を魅了し、ベトナム人の心と舌を掴んだトップ8の地元レストランチェーンを紹介する。
ベトナム人の外食文化
Statistaによると、ベトナム人は外食の頻度が増えている。Statistaの調査結果によると、回答者の17%以上が毎日外食している。一方、回答者の29%が週に3〜4回外食していると回答しており、これは2022年の18%と比較して大幅に増加している。また、回答者の28.5%が週に1〜2回外食していると回答しており、これは2022年の18.4%と比較して増加している。

特別な機会に外食する際、ベトナム人は財布の紐を緩めて支出する意向を示しており、支出額は10万VNDから100万VNDの範囲に及ぶ。最も一般的な支出範囲は20万~30万VNDで、回答者の約28%を占めている。レストランを選ぶ際、ベトナム人は、価格に見合う品質、好みに合う飲食物、安全で高品質な食材を優先する。その他の要素として、フレンドリーなサービスや快適でプライベートな空間の影響なども考慮するものの、優先順位は低い。価格、味、安全性のバランスが、ベトナム人がレストランを選ぶ際に最も重視する要因である。

ベトナムのフルサービスレストラン市場(full-service restaurant)
本章では、ベトナムのフルサービスレストラン市場について解説する。
ベトナムのフルサービスレストラン市場の市場規模
ベトナムのレストラン市場は、国際的な企業から地元企業まで、さまざまな企業の参入によりますます発展している。新型コロナウイルス感染症のパンデミックを乗り越えた2年間を経て、2022年と2023年のF&B市場は回復してきた。
Euromonitorの報告によると、2023年におけるベトナムのフルサービスレストラン*市場の規模は約405.57兆VNDと評価されており、そのうちチェーン店が占める割合はわずか2.26%に過ぎない。
* フルサービスレストランとは、以下の特徴を兼ね備えたレストランのことである。
- テーブルサービス:スタッフが注文を取り、料理を提供。
- 幅広いメニュー:前菜、メイン、デザート、飲み物などを提供。
- 落ち着いた雰囲気:快適でゆっくり過ごせる空間を提供。
- 高品質な料理:質の高い食材や調理方法にこだわる。
- 価格帯:ファストフードより高めで、サービス料が含まれる場合も。
- 予約対応:特別なリクエストや予約が可能。
- 顧客層:中流から上流階級、観光客、ビジネス客をターゲット

ベトナムのフルサービスレストラン市場の推進要因
ベトナムのフルサービスレストラン市場の成長は、所得の増加、急速な都市化、観光業の拡大などの要因によって促進されている。
ベトナムの1人当たりの平均所得は増え続けており、それに伴い支出も増加している。2010年には、総人口のわずか1%が1日30米ドル以上を支出していたが、2020年にはこの割合が4%に増加し、2030年には全人口の19%に達すると予測されている。ベトナム消費者、特に中間層が増加することにより、外食により多く支出するようになっている。
急速な都市化も、ベトナム人の外食行動に重要な影響を与えている。2010年以降、ベトナムの都市人口は年率3%で増加しており、これは東南アジアの平均値である2.5%を上回る。都市化の進展により都市が拡大し、忙しいライフスタイルとより高い生活水準が、利便性と多様な料理オプションを提供するフルサービスレストランへの需要を押し上げている。
さらに、ベトナムの旺盛な観光業も重要な役割を果たしている。国内外の観光客の流入により、ベトナムの豊かで多様な食文化を提供する飲食施設への需要が増加している。2024年1月~9月の間、ベトナムは1,270万人の外国人観光客を迎え入れ、前年同期比で43%の増加を記録した。また、ベトナム政府は観光業を主力産業に育成する方針を打ち出しており、2030年までに観光業がGDPの15~17%を占めることを目標としている。観光において飲食は重要な要素であり、このような観光業の明るい見通しがレストラン市場の成長に寄与している。

ベトナムにおけるレストランチェーン上位8社
ベトナムのレストラン市場には、独自の食体験を提供し、多様な消費者の嗜好に応えるレストランチェーン企業が幾つか存在する。本節では、レストランチェーンを経営する売上高上位8社を紹介する。これらの8社の中で、Golden Gateは市場をリードする企業として際立っており、次いでGoldsun FoodやPizza 4P’sが続いている。

Golden Gate(ゴールデンゲート)
Golden Gate Group JSCは、ベトナムのレストラン業界のリーディングカンパニーであり、ベトナム全63省の内、42の省で500店舗以上経営しており、28のブランドを取り扱っている。当ぐグループは、韓国/台湾/中国の火鍋(Kichi-Kichi、Manwah、Hutong)、BBQ(Sumo BBQ、GoGi House)、日本料理(iSushi)など、様々な種類の料理を提供している。また、グループは西洋風のダイニング、ステーキハウス、iPhoやHang Cuonのようなユニークなベトナムのローカルコンセプトも展開している。毎年1800万人の顧客がこれらのレストランのサービスを利用しており、Golden Gateは広範な嗜好とニーズに応え。20。2023年のGolden Gateの売上高は62,580億VNDで、レストラン業界2位のGoldsun Foodsの4.5倍に達する。
パンデミック時、Golden GateはGdeliというフードデリバリーサービスを立ち上げ、新型コロナウイルス後もそのサービスは継続して運営されている。広範なリーチと革新的なアプローチにより、Golden Gateはベトナムの食文化の礎となっている。Golden Gateの最も人気のあるブランドの2つは、韓国風の焼肉チェーン「GoGi House」と、日本風の回転鍋チェーン「Kichi-Kichi」である。
GoGi House(ゴギハウス)
GoGi Houseは、Golden Gate Group傘下のブランドであり、ベトナムでリーディングカンパニーとして知られる韓国焼肉レストランチェーンである。2012年に設立され、現在では41の省に127以上の店舗を展開し、ソウルの活気ある焼肉店を彷彿とさせる本格的な韓国焼肉を提供している。
GoGi Houseは、高品質な肉類、伝統的な韓国のおかず(バンチャン)、そして風味豊かな韓国式マリネで知られ、焼肉愛好家にとって人気の目的地となっている。2020年には、GoGi Steakという韓国風焼肉ステーキのコンセプトを展開した。また、プレミアムステーキというユニークな選択肢が加わえている。毎年数百万人の顧客にサービスを提供するGoGi Houseは、韓国料理の伝統と地元の味覚を融合させながら、ベトナムの焼肉セグメントをリードし続けている。

出所:DCORP
Kichi-Kichi(キチキチ)
Kichi-Kichiは、日本の回転鍋スタイルである「Kaiten」からアイディアを得たベトナム初の回転鍋レストランチェーンである。2009年に導入されて以来、Kichi-Kichiはモダンでユニークな食体験を提供する注目のブランドとなっている。
現在、27の省で108店舗を展開しており、回転式コンベアを利用して新鮮な食材を直接テーブルに届けることで、サービスを待つ必要がない仕組みを提供している。この斬新的なコンセプトは、楽しくリラックスした雰囲気を生み出し、利便性と効率性を両立させている。火鍋ダイニングセグメントにおける先駆者として、Kichi-Kichiは新しさと品質を求めるベトナムの食事愛好家にとって人気のレストランになっている。

出所: kichi.com.vn
Goldsun Food(ゴールドサンフード)
Goldsun Food(GS F CO., JSC)は、ベトナムを代表する食品サービス企業であり、14のブランドを展開し、全国63省のうち15省で200以上の店舗を経営している。2023年の売上高は13,630億ドンに達し、業界内での重要な地位と成功を収めている。
同社の提供する料理は以下のように分類される:
- 東南アジア料理:ThaiExpress、Hotpot Story、Khao Laoなどの有名ブランドを通じて、タイ料理や東南アジアの料理を提供している。
- 韓国料理:Seoul GardenやKing BBQなど、韓国式焼肉や火鍋の多様な体験を提供している。
- 日本料理:Tasaki BBQやSushi Keiといったブランドを展開し、寿司や焼肉料理を提供している。
- その他の料理:中華料理、イタリア料理、台湾式火鍋など、幅広い味覚と食事の好みに応える料理を展開している。
Goldsun Foodの特徴の一つは、味のローカル化である。同社はメニューを地域ごとにカスタマイズし、ベトナム北部と南部で異なる味付けを行っている。このアプローチにより、ベトナム国内の多様な味覚に対応し、人気を得ている。Goldsun Foodが所有する14のブランドの中では、King BBQ & Hotpot Storyは特に人気が高く、ベトナム人にもっとも広く受け入れられている。
King BBQ(キングバーベキュー)
King BBQは、ベトナムにおける2011年に設立された韓国風焼肉レストランチェーンである。現在、15の省で展開しており、国内で先駆的な韓国焼肉ブランドの一つとして知られている。King BBQは、斬新なアプローチを取り入れた韓国焼肉ダイニングを提供し、さまざまな肉の部位やおかずを通じて高品質で楽しい食体験を強調している。設立以来、同ブランドは高い評判とロイヤリティの顧客基盤を築き、ベトナム外食市場の主要プレイヤーとしての地位を確立している。
同チェーンの成功は、韓国焼肉文化と地元の嗜好を融合させた方策に起因しており、主要都市や省で急速に拡大を遂げている。この広範な地理的展開により、King BBQはベトナム市場で確固たる存在感を保ち、プレミアムな焼肉体験を求める多様な顧客層に訴求している。

出所: Dealtoday
Hotpot Story(鍋物語)
Hotpot Storyは、ベトナムで人気の火鍋レストランチェーンであり、全国63省のうち11省で50店舗を展開している。同ブランドは、タイ、中国、日本、韓国など、5つの国際的な火鍋の味を提供することで、ユニークな食体験を提供している。メニューの特徴は、2種類の異なるスープを同時に楽しめる「仕切り火鍋」を選べる点にある。Hotpot Storyは、豊かな多様性を持つ味と高品質な食材を組み合わせることで、火鍋愛好家にとって印象的な体験を創出し、その評判を築き上げている。特に主要都市での拡大は、国内での火鍋需要の高まりに応える形で成功を収めている。

出所: AEON Mall
Pizza 4P’s
Pizza 4P’sは、2011年にベトナム在住の日本人夫婦によって設立されたレストランチェーンであり、ピザとダイニングにおける革新的なアプローチで知られている。ベトナム、カンボジア、日本、インドの4カ国で39店舗を展開し、特にベトナムで急速に知名度を高めた。同チェーンの主力商品は、イタリアンと日本料理を融合させた料理であり、特にピザが主力メニューとして位置づけられている。Pizza 4P’sの差別化要素は、「自家製チーズ」を使用した高品質な製品と、「Earth-to-people」という持続可能性と地元食材の調達を重視した独自の哲学にある。また、日本の伝統である「おもてなし」の精神に基づいた卓越した顧客サービスを提供している。

出所:loop.com.vn
Pizza 4P’sは単なるピザレストランではなく、食を通じて幸福とコミュニティのつながりを創造することを目的としている。高品質なチーズへの需要の高まりに応え、Pizza 4P’sは現在ベトナムの自社のダラットにあるチーズ工場に加え、日本にもチーズ工場を建設する計画を進めている。

出所: ELLE DECORATION
SVN Restaurant Chain (SVN レストランチェーン)
SVN Restaurant Chainは、多国籍料理をテーマに経営を展開している。2015年に設立された同レストランは、急速に成長を遂げ、2023年には2,590億VNDの売上高を達成した。ベトナムの主要6都市で強い存在感を持ち、40以上の店舗を展開しているSVNは、以下のブランドを通じて斬新なダイニング空間を提供している;Le Monde Steak(フランス風のビーフステーキと西洋料理)、Yakimono(日本の焼き料理)、Shang Chi(台湾式火鍋)。この中でも、Le Monde SteakとYakimonoは最も知名度の高いレストランブランドとして知られている。
Le Monde Steak(ルモンドステーキ)
Le Monde Steakは、ベトナムにおけるフランス風のレストランチェーンであり、ハノイ、ホーチミン市、ビンズオン省、ハイフォンといった主要都市に20店舗を展開している。ホーチミン市には5店舗、そしてハノイに大半の店舗が集中しており、西洋料理にフランスのエッセンスを求める都市部の食事客をターゲットとしている。
メニューは、フランス風のビーフステーキ、パスタ、その他のヨーロッパのクラシック料理といったプレミアムな料理を特徴としており、洗練されつつも親しみやすい食体験を提供している。多くはAeon Mallなどの大きなショッピングセンターに店舗を構え、家族連れやビジネスパーソン、西洋料理を快適な空間で楽しみたいと考える人々にとっての人気のレストランとなっている。

出所: Le Mond Steak
Yakimono(焼き物)
Yakimonoは、モダンな日本料理レストランチェーンであり、ベトナムの主要4都市に16店舗を展開している。主にハノイやクアンニン省、バクニン省といった北部地域に集中しており、ホーチミン市では2店舗のみのとなっており、北部ベトナムで強い存在感を示している。その名前が示す通り、Yakimonoは本格的な日本の焼き料理を専門としており、焼き鳥(串焼き)や炉端焼き(日本式バーベキュー)などを提供している。同レストランは、新鮮な食材と独自の風味で知られ、ベトナムの食事客に日本の味を届けている。Yakimonoの活気に満ちた現代的な雰囲気と料理へのこだわりは、カジュアルで本格的な日本料理を求める人々にとって人気のレストランとなっている。

出所: YAKIMONO
NISO Corporation(NISO株式会社)
NISO Corporationは、食品・飲料業界を専門とする企業である。2013年に設立されたNISOは9つのブランドを展開し、それぞれが伝統的なベトナム料理と国際的な要素を融合させたユニークなダイニング空間を提供している。NISOは、ほぼすべての店舗でカフェとレストランの形式を組み合わせている点で、他の競合他社と差別化を図っている。 NISOの2023年の売上高は2,560億VNDであった。
NISOの主なブランドには以下が含まれる。
- RuNam:高級カフェレストランチェーンとして広く知られている。
- RuNam d’Or:グルメ料理と高級飲料に焦点を当てたより洗練された店舗。
- CIAO Café:イタリアンコーヒーとベトナム・西洋料理を提供するカフェとレストランが融合したブランド。
- Thanh Nien:ベトナム料理レストラン。
- Nambento:ベトナム料理と日本料理を融合させた料理を提供。
NISOはこれらのブランドを通じて、多様な消費者のニーズに応え、ユニークで魅力的な飲食体験を提供している。
RuNam(ルナム)
RuNamは、高級カフェと高級レストランのコンセプトで知られており、ベトナム中部高原で生産された高品質なコーヒーと、西洋料理からベトナム料理まで多岐にわたる料理を提供している。同ブランドは、ベトナムの主要4都市に14店舗、カンボジアに1店舗を展開している。RuNamカフェは、洗練された雰囲気で人気があり、コーヒー愛好家やプレミアムな食事体験を求める人々に支持されている。

出所: Runam
Dim Tu Tac(ディムトゥタック)
Dim Tu Tacは、2015年に設立された広東料理と点心を専門とするレストランチェーンであり、レストランおよびホスピタリティ業界を専門とするHoang Hai Groupが所有している。本格的な味わいと創造的な料理で知られ、伝統的でありながらお洒落な広東料理を求めるベトナム人の間で人気がある。同チェーンの2023年の売上高は2,420億VNDであった。ホーチミン市内に6店舗を展開し、香港、上海、四川、広東、シンガポールなどの地域から集まった経験豊富なシェフによって丁寧に作られる300種類以上の料理を提供している。メニューには点心や焼き物が含まれ、客が飽きないように2か月ごとにメニューが更新される。Dim Tu Tacは、伝統的な広東料理と現代的な風味を融合させたユニークなレストランとして、ベトナムの食通達を惹きつけている。
出所: TRAVELLIVE
Hoang Yen Restaurant(ホアン イエン レストラン)
Hoang Yen Groupは、ベトナム料理を専門とするレストラン企業である。1993年、Ngo Duc Ke通りにある小さなレストランからスタートし、初のビュッフェレストランから高級ブランドまで、継続的な発展を遂げてきた。ユニークな食体験を提供するという使命のもと、Zen PlazaやBitexco社の拠点をはじめとする全国の商業施設に多くの店舗をオープンしている。2023年のグループの売上高は2,230億VNDに達した。
2024年時点で、Hoang Yen Groupは11のブランド、11の異なるサービス形態、15以上の店舗を展開している。以下は代表的なブランドとしては、Hoang Yen Vietnamese Cuisine、Hoang Yen Buffet、Hoang Yen Buffet Premier、STIX restaurant、The Cliff Resort & Residences、Chao Ca、Trong Comなどがある。グループはかつて最大35店舗を展開していたが、2020年と2021年の新型コロナウイルスの影響により縮小した。特に、2021年には「Hoang Yen Hotpot」全店舗の閉鎖を発表した。
全ブランドの中で、Hoang Yen Cuisine、Chao Ca、Trong Comが最も人気のあるレストランチェーンであり、それぞれ4店舗を展開している。
Hoang Yen Cuisine(ホアンイエン料理)
Hoang Yen Vietnamese Cuisineは、伝統的なベトナム料理を専門とするブランドである。現在、ホーチミン市内に4店舗を展開している。同ブランドの料理は、創業者がベトナム北部・中部・南部の三地域にわたる食文化を探求した情熱の結晶である。Hoang Yenは、素朴な料理から高級で洗練された料理まで、幅広いメニューで顧客を魅了している。例として以下がある。
- 素朴な料理: 魚醤で揚げた手羽先、ココナッツウォーターで煮た豚肉、ジュート入り蟹スープ、カリカリのアンチョビフィッシュケーキなど。
- 高級で洗練された料理: ザリガニの煮込み、蓮の葉包み蒸しご飯、クリスピーライスを添えたナマコ、蟹入りブン、ラ・ボン焼き魚、ハロン焼きイカなど。
Hoang Yenは、素朴さと豪華さを併せ持つ独自の料理で顧客を惹きつけている。

出所: HOANG YEN Cuisine
Aladdin(アラジン)
Aladdin International Vision Joint Stock Companyは、2017年に設立され、食品サービスに注力し、レストランチェーンの開発を戦略としている。Aladdinは年間400万人以上の顧客にサービスを提供しており、現在も拡大を続けている。2023年には、同社の売上高は約1,770億VNDに達した。
現在、Aladdinはベトナム国内で40以上の店舗を展開する2つの大規模なレストランチェーンを所有している。
- Bo To Quan Moc:柔らかく甘みのある牛肉の専門料理を提供し、活気ある旧市街の雰囲気の中で食を提供するレストランチェーン。
- Long Wang:香港火鍋レストランで、「ノーオイル、ノー澄めるスメル(無臭)、ノー脂肪」という3つの基準を掲げるレストランチェーン。
Aladdinは、これらのブランドを通じてベトナムの外食市場でその存在感を高めている。
Long Wang(ロン・ワン)
Long Wangは、ベトナムで知られる香港火鍋ブランドであり、蒸し煮の調理法を特徴とした独自の火鍋体験を提供している。このユニークなアプローチは、新鮮さ、健康志向、そして本格的な香港の味わいを強調しており、競争の激しいレストラン市場で際立った選択肢となっている。Long Wangは、健康、革新性、本物志向に焦点を当てており、プレミアムで独自性のある食体験を求める都市部の顧客に支持されている。その特徴的な蒸し煮の火鍋スタイルにより、ベトナムの競争の激しいレストラン市場においてトレンドセッターとしての地位を確立している。現在、同ブランドはベトナムの主要4都市に22店舗を展開している。

出所: Long Wang
Bo To Quan Moc(ボ・ト・クアン・モック)
Bo To Quan Mocは、高品質で新鮮な牛肉料理に特化した人気のベトナムレストランチェーンであり、1980年代のハノイの魅力を思い起こさせるノスタルジックな雰囲気が特徴である。伝統的なベトナムの味を独特のダイニング空間と融合させたことで認知を得ており、地元客や観光客にとって人気の目的地となっている。現在、同ブランドは20店舗を展開しており、そのうち13店舗がハノイ、残りの7店舗がホーチミン市で展開している。

出所: BO TO QUAN MON
まとめ
ベトナムの地元レストランチェーンは、急速に進化し、多様で高品質な食体験を提供することで注目を集めている。特にアジア系レストランチェーンは、所得の増加、都市化、観光業の拡大といった要因に支えられ、その成長を続けている。これらのチェーンは、革新なメニューとサービスを通じて消費者の多様なニーズに応え、市場での存在感を強めている。
また、地元のレストランチェーンは事業拡大を進める中で、ベトナム外食市場への投資を検討する投資家にとって魅力的な機会を提供している。投資や協業を成功させるためには、ベトナム市場に特化した綿密な調査と戦略的な計画が重要である。