ベトナム、FTA活用で貿易多角化と米国関係強化へ
ベトナム商工省は、世界貿易が「脱グローバル化」、市場保護、政策の不確実性という3つの明確な傾向に直面していると指摘している。これにより関税の復活や非関税障壁の強化が進み、国際的な供給網が混乱している。
特に欧米市場では、持続可能性や消費者安全が重視され、輸入品への環境基準や労働基準の適用が強化されている。このような動向はベトナムの輸出にも影響を与えており、政府は適切な政策対応を求められている。
2025年2月、米国のドナルド・トランプ大統領は、国家非常事態条項を発動し、カナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の追加関税を適用した。カナダとメキシコは交渉により一時的な免除を得たが、中国に対しては制裁が続き、中国側も対抗措置として輸出規制を実施した。
このような国際貿易の不安定な状況に対応するため、ベトナム商工省は市場の動向を分析し、政府への政策提言を進めている。また、輸出市場の多角化を推進し、科学技術を活用してベトナム製品の価値向上を図ることが重要とされている。
今後の対策として、ベトナム企業が自由貿易協定(FTA)の恩恵を最大限に活用できるよう支援し、新たな市場開拓を進める方針である。特に、欧州、アジア太平洋、北米、中東、アフリカ市場への輸出拡大が目標とされている。
さらに、ベトナム商工省は、海外の商業代表部を増設し、外国市場におけるベトナムの貿易促進と経済的利益の保護を進める計画である。同時に、国内企業に対し、最新の市場動向や規制情報を提供し、貿易防衛策や原産地規則の遵守を促していく。
特に、米国市場に関しては、ベトナムと米国の貿易関係が補完的であり、直接的な競争が少ないことから、引き続き安定した関係を維持できると見られている。ベトナム商工省は、米国との経済関係を強化するため、戦略的な協議の場を活用し、貿易の持続的な成長を目指している。
今後もベトナム政府と企業は、市場環境の変化に迅速に対応し、輸出市場の多様化や品質向上、貿易リスクの軽減に向けた取り組みを進めることが求められている。
