ベトナムへのFDIの動向と課題
HSBC(香港上海銀行)の専門家によると、現在、ベトナムには新たな投資の波が押し寄せており、中国本土、香港、台湾からの資金流入が増加している。MixueやHualian Ceramicなどの企業がベトナム市場に進出し、FoxconnやPegatronなどのグローバル企業も投資を続けている。これまでの数十年で、ベトナムはグローバルなサプライチェーンとの結びつきを強め、今では高付加価値の電子分野に進出している。
2007年以降、輸出は7倍に増加し、その70%がFDI企業からのものである。特に韓国からの投資が目立ち、SamsungやLGなどが重要な役割を果たしている。最近では、中国との貿易が急増しており、2007年以降10倍になった。新規登録されたFDIフローの60%が中国との貿易回廊から来ており、これは両国間の経済的類似性やサプライチェーンの変化によるものである。
ASEAN地域は中国から安価な原材料を輸入し、競争力を高めている。中国は世界貿易の中心的プレーヤーであり、その年間輸出額は3,500億ドルに達している。これにより、中国企業はグローバルサプライチェーンでますます重要な存在となっている。
ベトナムはFoxconnやCompalなどにとって戦略的な製造拠点となっており、香港からの資金フローも多様化している。しかし、ベトナムは依然として技術者不足やインフラ問題、高コスト物流といった課題に直面している。これらの構造的障害を克服することが今後の成長において重要である。
また、グリーンエネルギーやデジタル化を進めることでビジネス環境を整備する必要がある。HSBC専門家は、ベトナムが世界貿易の転換から利益を得る有利な状況下にあるとし、新たな投資を迎えることが国益につながると強調している。