はじめに
2024年8月3日、ベトナム共産党は臨時の中央委員会総会を開催し、トー・ラム国会主席をベトナムの最高指導者である党書記長に選出した。任期は2026年1月の共産党第14回大会まで。
トー・ラム国家主席が共産党書記長に就任
トー・ラム氏は、グエン・フー・チョン前書記長が亡くなる1日前から、党書記長の職務を代行していたが、今回正式に書記長に選出された形になる。同氏は党序列2位の国家主席も兼任している。トー・ラム氏が正式に書記長に就任するのか、党書記長の職務を代行という暫定的な地位のままに留まるのか、注目されていたが、2024年7月19日にグエン・フー・チョン前書記長が亡くなってから、比較的短期間での選出となったことは、トー・ラム氏の権力基盤が強固であったことを示唆している。
トー・ラム氏の就任に伴い、汚職防止規定に違反したとして4人の党中央執行委員が更迭される決定もなされ、党内の規律を強化する姿勢が示される結果となった。
選出直後、トー・ラム氏は今回の書記長選出を「光栄なことだ」とし、「緊急の必要性に迫られた決定」とも強調した。同氏は「誰が標的になるか関係なく、汚職との戦いを推進し続ける」とも述べた。トー・ラム氏は長期政権の座に居座るとの観測がある一方、一人の強い権力を持ったリーダーの誕生により、最近のベトナムの政治的混乱も終焉するのではとの期待の声もある。
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