ベトナムにおけるIT産業の動向
近年、ベトナム政府はIT産業への取り組みを強化している。デジタル化の進行と共に、データセンターへの需要が高まっているため、ベトナム国内でのデータセンター設立及び投資が活発化している。
ベトナム政府は、情報通信省(MIC)を中心に、IT産業の成長を支援するための様々な制度や政策を導入している。ベトナムのIT企業の発展は著しく、政府が策定する情報通信インフラ基本計画の草案には、ベトナムが国際的なデジタルハブへ発展する可能性が言及されている。
CMC Telecomの取締役会長であるグエン氏は、「ベトナムにはアジア地域でのデジタルハブとしてのポテンシャルがあると評価している。地理的なアドバンテージや経済、金融、物流といった重要な要素を持っている」との考えを示している。
ベトナムがアジアのデジタルハブに発展するためには
ベトナムは、労働人口が豊富であり、平均年齢も約32歳と若い。適切な投資と教育を行えば、国内外で競争力を持つ良好な環境が整う。しかし、ベトナムが世界有数のデジタルハブなるためには、以下のような複数の課題がある。
- デジタルインフラ
ベトナムは、5G通信やデータセンターなどのインフラ整備を進める必要性がある。デジタルインフラを整えることにより、データ回線の高速化、安定した通信環境の確立が可能となる。これには多額の投資資金が必要となる。この課題を解決するには、国内外からの投資を誘致する必要がある。
- IT人材の育成
ベトナムのIT人材は約40万人とされるが、IT産業の急成長に伴い、資格やスキルを持った人材が不足している。ベトナム政府はIT人材の育成に取り組んでいるものの、短期間での解決は困難である。そのため、海外からの人材引き入れも重要である。
- 法律と制度の整備
データ保護、サイバーセキュリティ、知的財産権、デジタル取引に関する法律・制度の整備が必要である。これにより、国内外の投資家や企業が信頼感を持ってベトナム市場に参入できるようになる。
- 国際協力の強化
技術移転、専門家の交流、共同研究、共同投資など、様々な国際協力が必要となる。
これらの課題を取り除くことが出来れば、ベトナムは世界有数のデジタルハブとして発展できるだろう。