ベトナムの証券市場は、2026年第1四半期に強力な成長を記録した。上場企業945社(市場全体の時価総額の98.1%を占める)の純利益は、前年同期比で35%増加した。注目すべき点は、ベトナム最大の民間複合企業であるビングループ (Vingroup) 系企業を除外しても、市場全体の利益成長率は33.8%に達していることである。これは、ベトナム経済が困難な時期を経て、均一かつ堅実な回復を遂げている証拠と言える。
業種別では、全19業種中18業種で業績が改善した。不動産業界は、法整備の進展と金利の安定により32%超の増益となった。中でも、ベトナム最大の不動産開発企業であるビンホームズ (Vinhomes) は、大型プロジェクトの売却により利益が850%急増した。石油・ガス業界も明るい材料であり、業界全体で603%の増益を記録した。特に、ベトナム最大の製油所運営企業であるビンソン石油精製 (Binh Son Refining and Petrochemical: BSR) は、前年同期の20倍となる8兆2,660億ドン(約510億円)の利益を上げた。金融・銀行業界は、利益が73兆2,620億ドン(約4,520億円)で11.5%増となり、依然として経済の背骨としての役割を果たしている。

出典: Dan tri
現在、VN指数(VN-Index)は史上最高値の1,900ポイントを突破した。しかし、市場の株価収益率(P/E)は13.8倍にとどまり、過去10年間の平均である15.4倍を下回っている。これは、市場のバリュエーションが成長ポテンシャルに対して依然として魅力的な水準にあることを示唆している。2026年の企業利益はさらに14%増加すると予測されており、日本企業にとってベトナムでの市場調査や、戦略的提携・M&Aの機会を模索する絶好の機会となっている。
