はじめに
近年、ベトナム政府は行政改革を強化し、国家機構の整理・再編を精鋭で実効性のある方向へ進めている。その中で重要な措置の一つが定員削減であり、職務要件に適さなくなった、あるいは組織再編によって余剰となった幹部・公務員の数を削減するものである。ただし、定員削減とともに、早期退職や異動となった幹部・公務員の権利を保障するための財政支援政策も実施されている。2025年には約15兆ドンを追加補填することで、対象者に対する十分かつ適正な支給を確保することが目的である。
約15兆ドンの追加決定と適用範囲
2025年5月22日、ファム・ミン・チン首相は「2025年度(第3回)中央予算からの通常支出補正に関する決定(決定番号974/QD-TTg)」を公布した。承認された総支出額は14.94兆VND
であり、これは政令第178/2024/NĐ-CPおよび第67/2025/NĐ-CPに基づいて退職する13,168人の中央機関所属の幹部・公務員・職員に対する政策支給に充てられる。これは定員削減の背景の中で前例のない大規模な支出であり、公共部門労働者の権利を守るという党と国家の配慮を示している。
ベトナム経済・ビジネス関連の有料レポートはこちらからもご覧いただけます。