2025年8月、ベトナムのハノイ市商工局と主要小売企業は、9月2日の建国記念日に向けて共同で大規模な販促キャンペーンを展開することを発表した。商工局のグエン・テー・ヒエップ副局長によれば、休暇期間中は大手流通網と連携し、消費刺激を目的とした集中型の割引イベントを実施する計画である。各企業は在庫を最大35%増やし、食品や日用品を中心に大幅値引きを実施し、販売拡大を狙う。
具体的には、MMメガマーケットは「国慶黄金・民族の誇り」と題し2,000品目を対象に最大80%引きを行い、AEONは需要増に対応しつつ抽選で日本旅行が当たる企画を実施する。Co.op MartやLotte Martも学用品や生活必需品を中心に15〜50%の割引を展開し、Satraは「家族の食卓同行」キャンペーンなどで数百万円相当の景品を提供する。さらにGO!は非食品や生鮮食品の重点販促を強化し、顧客体験の向上を図る。
背景として、ベトナム小売市場は2025年に3,500億USD規模へ拡大しGDPの59%を占める見通しである。Modor Intelligenceによると、2030年には5,460億USDに達し、近代小売のシェアは15%前後と成長余地が大きい。都市化の加速と若年層の消費意欲が市場拡大を後押しし、ミニスーパーやEコマースの成長が顕著である。
今後の投資計画として、AEONは2025年に4つの商業施設と10の中型スーパー「MaxValu」を開業予定であり、その一環として9月にメコンデルタ初のタンアン店を開業する。Central Retailはベトナム、フンイエン省とイエンバイ省に新モールを稼働させ、WinMartは新モデル店舗で購入件数を23.5%増加させた。加えて、7-ElevenやGS25など外資系コンビニも進出強化しており、日本や中国ブランドの新規参入も予定されている。
こうした競争激化の中、ベトナムの小売企業はサービス差別化と製品品質の確保が課題である。消費者の信頼を得るためには、製造業者との連携、合理的な価格設定、迅速な市場投入、そして魅力的な販促戦略の構築が不可欠である。今後の焦点は、投資拡大を維持しつつ、どのように消費者体験を高め、持続的成長を実現するかにある。
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