ベトナム国内医薬製品生産の競争力と持続可能性の課題
ベトナム国内の医薬品生産に関する競争力と持続可能性の課題は、いくつかの要因によって形成されている。
まず、ベトナム国内の医薬品生産は主に単純な製剤に投資が集中しており、先進的な製剤に対する技術や設備への投資が不足している。また、医薬品生産に必要な原材料の約90%を輸入に依存しているため、特にCOVID-19のような世界的危機が発生した際には為替変動や供給不安に影響を受けやすい。
このため、ベトナム製医薬品の輸出価格は中国やインドよりも20~25%高くなっている。さらに、ベトナム国内の化学産業や石油化学産業の発展が遅れており、医薬品化学産業を支える基盤やエコシステムが整備されていない。そのため、医薬品原材料の需要に応じた供給体制が整っていないことが問題視されている。
化学医薬品プログラムは長年実施されているが、設定された目標を達成できていない状況である。人材面でも課題が存在する。ベトナムでは、臨床薬学や品質管理、新薬の研究開発など、一部の分野で人材不足が顕著である。特に医療施設での臨床薬学活動は十分な注目を受けておらず、その重要性が軽視される傾向にある。また、臨床薬学活動を支援するための資金確保も不十分である。
これらの課題を克服するためには、ベトナム国内医薬品産業の競争力を強化し、持続可能な生産体制を構築する必要がある。具体的には、先進的な製剤技術への投資を促進し、自給自足を目指すための原材料供給体制の見直しが求められる。さらに、医薬品業界全体で人材育成や研究開発の促進を図り、国際競争力を高めることが不可欠である。
