ベトナム電力公社(EVN)が投資主体となるホアビン水力発電所拡張プロジェクトが2025年8月19日に第1号機を送電開始する見通しとなった。ベトナム商工省の電力開発計画(2021〜2030年、ビジョン2050)に組み込まれた同事業は、総投資額9,220億VND超、総出力480MW(2機)を追加する国家重点エネルギー案件である。完成後、ホアビン水力発電所全体の総出力は2,400MWとなり、ベトナム最大の水力発電所ソンラと並ぶ規模に到達する。
ホアビン水力発電所は1979年に着工し、1994年に8機・総出力1,920MWで全面稼働した。かつて東南アジア最大の水力発電所であり、電力供給だけでなく、ハノイや紅河下流域の洪水調節、水資源供給にも重要な役割を担ってきた。今回の拡張は、現行の堤防右岸に新設設備を加えるものであり、施工はベトナムの建設大手である総合建設会社チュオンソン、建設47、リラマ10のコンソーシアムが担当している。
現在、数百名の技術者と作業員が三交代制で建設作業を進めており、第1号機は計画通り2025年第3四半期に発電、第2号機は同年第4四半期に稼働予定である。拡張後は電力供給力の強化に加え、周波数調整能力や既存電力網の負荷軽減、水資源利用の最適化に寄与すると期待される。ベトナム政府が掲げる再生可能エネルギー導入拡大の中で、安定電源としての水力発電の位置付けは依然重要であり、同事業はベトナム国家のエネルギー安全保障確保に大きな意味を持つ。
ベトナム経済・ビジネス関連の有料レポートはこちらからもご覧いただけます。


