ベトナム政府がFDI誘致強化へ|AI・半導体分野を優遇
2024年末、ベトナム政府は、外国直接投資(FDI)を促進するための「投資支援基金」に関する政令を発表した。特に、人工知能(AI)や半導体分野の研究開発(R&D)に対し、税制優遇、土地使用料の免除、人材育成支援、初期投資費用の最大50%補助といった優遇措置が導入された。対象となる企業は、高度技術分野での活動が認められ、最低3,000億VNDの投資規模を持ち、3年以内に1,000億VND以上を支出する必要がある。
この政策は、ベトナムがFDIの誘致を加速させる中で導入された。2024年のFDIは新規・追加投資、企業買収を含め38.23億ドルに達し、実際の投資額は前年より9.4%増加し25.35億ドルとなった。ベトナムは半導体設計で一定の実績を持つが、大規模な生産工場はなく、今回の支援策により、大手企業の投資を誘致し、技術革新を促進する狙いがある。
専門家は、この政策がFDIを誘致する突破口になると評価する一方で、支援対象が資本力のある大企業に偏り、中小企業には恩恵が少ないと指摘する。特に、最低3,000億VNDの投資基準は、多くの国内企業にとってハードルが高く、制度設計の見直しが求められている。また、研究者への利益配分や、知的財産権の登録支援、個人所得税の優遇といった追加の施策も必要とされている。
加えて、FDI企業だけでなく、ベトナム国内企業の成長を促す仕組みも不可欠である。FDI企業との連携を強化し、国内企業がサプライチェーンに参加できるよう支援することが求められる。ベトナム政府は、大手テクノロジー企業を誘致するだけでなく、ベトナム国内企業とFDI企業の技術移転を促進し、ベトナム全体の技術力を向上させる政策を進める必要がある。
最終的に、この政策が単なる投資誘致策にとどまらず、ベトナム国内企業とFDIの成長を両立させ、長期的な経済発展につながるよう、実効性の高い制度設計が求められる。
