2025年上半期、ベトナムの輸出は堅調に推移しているが、その背景にはアメリカの報復関税発効前の駆け込み出荷が影響しており、実態としては企業の持続的な競争力に懸念が生じている。米国が主導する20%の新関税や、今後予定される40%の中継品税、さらにはサプライチェーンからの「脱中国」・「脱アジア」的傾向(デカップリング)は、ベトナム企業にとって深刻なリスクとなっている。
こうした中、建材・輸出業界の経営者らは、ベトナム企業が直ちに対応すべき課題として「サプライチェーンの透明化」および「原産地証明の強化」を挙げる。環境・労働・財務透明性の面でも国際基準を満たすことが求められ、これによりアメリカなど先進国がベトナム製品を中継品と誤認しない体制構築が急務とされている。FDI企業に対しても、技術移転と現地化を促す契機と見なされ、長期的にはベトナム国内産業の自律性強化にもつながる。
一方で、アメリカ市場への過度な依存から脱却し、FTAを活用した市場多角化が企業にとって不可欠である。政府は現在、中東、インド、ラテンアメリカとの新たなFTA交渉を進めており、米国との貿易協定の高度化も模索中である。これにより、ベトナム企業は新市場を開拓し、貿易環境の安定化を図ることが期待されている。
さらに、経営戦略の観点からは、複数のリスクシナリオを想定した「マルチシナリオ計画」の重要性が強調されており、企業は政策変動への迅速な対応力を備えるべきである。財務リスクのヘッジや法務対策もあわせて整備し、外部環境の急変に耐えうる体質づくりが求められる。
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