ベトナム建材業界の成長戦略|技術革新と市場拡大の課題
ベトナムの建材業界は、セメント、ガラス、コンクリートなど多様な分野で急成長を遂げ、2024年には生産・消費量が増加した。特にセメントの生産・消費量は約9100万トンに達し、ベトナム国内需要と輸出の双方を支えている。一方で、多くの生産施設が小規模または中規模であり、技術革新や生産効率の向上に課題を抱えている。さらに、鉱物資源、エネルギー、資本などの依存度が高く、供給と需要のバランスが取れず、生産能力を十分に活かしきれていない。加えて、代替資源の活用や循環型経済の推進が進んでいないことも、業界の発展を妨げる要因となっている。
今後の対策として、ベトナム政府と企業は、建材の管理強化や科学技術の活用を進める必要がある。特に、新しい機能性を持つ建材や環境に配慮した素材の開発に注力することが求められる。建材大手のビグラセラ社は、気泡コンクリート、焼結石材、省エネガラス、高機能衛生陶器など、技術革新を活かした製品開発を進めており、ベトナム政府は新技術を活用した製品の普及を促す政策を強化するべきだとしている。具体的には、輸入建材への技術基準の導入や、新製品の技術基準・価格通知の迅速化が必要である。
さらに、2025年のベトナム経済成長の原動力の一つとして公共投資が期待されており、インフラ整備に関連する建材業界の需要増加が見込まれている。例えば、南北高速道路(第2期)の建設が進められており、2025年には主要区間が完成予定である。このプロジェクトにはヴィナコネックス、デオカ、CIENCO4などの大手企業が参入しており、2025年から2026年にかけて収益増加が期待されている。さらに、ロンタイン国際空港やホーチミン市環状道路3号線、ハノイ環状道路4号線の建設も加速しており、業界の成長を後押ししている。特に、2027年に着工予定の南北高速鉄道は、総投資額673億ドル、建設市場規模335億ドルと見込まれ、建材業界にとって大きな商機となる。
このように、ベトナムの建材業界は成長を続ける一方で、技術革新の遅れや供給過剰といった課題を抱えている。今後、ベトナム政府の政策支援や市場環境の整備が進めば、さらなる発展が期待される。
