ベトナムにおける食肉市場では、ブランド肉や安全認証付き製品のシェアが着実に拡大している。これまで90%以上を占めていた無ブランド肉に代わり、VietGAPやGlobalGAPといった認証取得済み、さらにQRコードによる追跡可能な製品が都市部を中心に広がっている。背景には、経済成長に伴う消費行動の変化がある。2025年上半期、ベトナムのGDPは8.0%成長、国民の平均収入は2,625USDに達し、消費者は「量」から「質」への志向を強めている。
中でも、Masan MEATLifeのMEATDeliは、ブランド肉市場の代表例である。同社は2019年から「肉のチルド化」を柱に、VietGAP/GlobalGAP基準の養豚場と連携。ハノイ・ハナム省の加工施設は国際的に認められたBRC認証を取得しており、養豚から加工まで一貫管理されている。さらに、三重の検査システムを導入し、抗生物質や成長促進剤を使用しない「3つのゼロ」を保証。保存には0〜4℃のチルド技術とOxy-Fresh包装を採用し、安全性と鮮度を高めている。
加えて、流通面ではWinCommerceとの戦略的提携が重要な役割を果たす。WinMartやWinMart+を通じ、農村部にもブランド肉が普及し、消費者が都市と同等の品質を手にできる環境が整いつつある。2025年7月時点で、MMLのWCM店舗における日次売上は平均2.3百万VNDに達し、全4,100店舗に拡大すれば約9.5億VNDの潜在市場となる。
結果として、MMLはWCMにおける肉部門売上の69%を占めるまでに成長し、消費者の購買行動を大きく変化させている。この流れは、食品安全や品質保証に対する需要の高まりを反映しており、ベトナムにおけるブランド肉市場のさらなる拡大を示唆している。
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