ASEAN、米国の関税政策に共同対応
2025年4月10日、ASEAN経済大臣特別会合がオンライン形式で開催された。議題は米国の新たな関税政策への対応であり、議長国マレーシアの主導のもと、ASEAN各国の経済大臣およびティモール・レステの代表が参加した。会合では、米国が4月5日から全輸入品に対して基本10%、対貿易赤字国には追加税率を導入したことに対する対応が協議された。
ベトナムからは、グエン・ホン・ジエン商工大臣が出席し、米国との対話・交渉の継続に積極的である姿勢を示すとともに、ASEANとして結束を維持し、冷静かつ戦略的に対処すべきとの見解を述べた。また、FTAやATIGAの活用による供給網の多様化、自律的経済構造の強化の必要性を訴えた。
会議の結果、ASEANは共同声明を採択し、以下の立場を示した。第一に、ASEANと米国の戦略的パートナーシップが地域の安定と経済成長にとって重要であると再確認。第二に、米国の関税政策が中小企業に深刻な影響を及ぼし、サプライチェーン断絶や世界経済成長の下振れリスクを高めることに強い懸念を表明。第三に、WTOを中心とするルールに基づいた多国間貿易体制への支持を改めて示し、米国に対し建設的な対話への参加を促した。さらに、ASEANと米国間の既存の経済協力枠組(TIFAやE3)を通じた協力強化にも意欲を示した。
加えて、ASEANは今後の米国政策への対応を協議するため、「ASEAN地政経済特別作業部会」の設置を決定。このグループは政策影響の評価と共に、ASEANとしての共同対応を検討・提案する役割を担う。ASEANは今回の危機を、米国とのバランスある貿易関係の再構築と域内経済の強靭化に向けた契機と捉え、統一した対応を模索している。
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