2025年8月、ベトナム南部のドンタップ省は農産加工産業の発展を重点戦略として推進している。同省には現在、800社以上の農林水産物・食料加工企業が活動しており、主力はコメ、ナマズ(パンガシウス)、果物(マンゴー、ドリアン、ライチ、ドラゴンフルーツ)、ハスなどである。特に米加工は200社以上、年間4.5〜5百万トンの能力を持ち、果物加工は25社で70万トン、水産加工は48社で64万トンの処理能力を誇る。
代表例として、Thabico Tiền Giang社は急速冷凍IQFを導入し年間6万トンの加工を実現、さらにオランダ・イタリアの技術を活用して年間1万トン規模の濃縮果汁や4,500トンの乾燥野菜を製造する。ベトナム、ドンタップ省の地元企業BamoFoodもマンゴーやドラゴンフルーツのドライフルーツで市場を開拓し、年間50トン製品を供給する。こうした企業の進出により、地域の女性雇用創出や副産物(魚油、米ぬか油、コラーゲンなど)の高付加価値化が進む。
省当局は投資環境整備の一環として、産業団地・加工団地の整備、物流拠点(Sa Đéc、Thường Phước、Gò Công港)での冷蔵・一次加工施設の配置、土地・金融・人材育成の優遇策を実施。ベトナムの農業資源を背景に、安定的な原料供給と高品質化を図る体制が整いつつある。さらに、欧米・日本・韓国市場への輸出拡大を視野に、急速冷凍、真空包装、ガス調整包装、生物膜保存など最新技術を導入して競争力を高めている。
今後、ドンタップ省はメコンデルタ地域における農産加工のハブ形成を目指し、持続可能な原料産地づくり、低炭素・省エネ型の加工技術導入、物流インフラ整備、人材育成を重点課題として推進する方針である。これにより、ベトナムは輸出市場での競争力強化と農業経済の安定化を実現することが期待される。
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