ベトナム大手企業FPTが、半導体育成拠点をハノイに開設
2025年3月28日、ベトナム・ハノイで「半導体インキュベーション・発展センター(VSIC)」および「FPT-ALCHIPスタートアップ創出スペース」が正式に開設された。本センターは、FPTグループ、国家革新創造センター(NIC)、および戦略的パートナーである台湾・Alchip Technologiesを含む複数のテクノロジー企業の協力により設立された。
この取り組みは、ベトナム政府が推進する半導体産業の強化政策―特に「半導体産業の人材育成計画(2030年5万人の技術者育成目標)」「半導体産業戦略(2030年ビジョン2050年)」などの政策に沿ったものであり、公的機関・教育機関・企業が一体となって形成する「三位一体モデル」に基づいている。
NICとFPTは、すでに短期研修奨学金の提供や全国40以上の大学への回路設計支援を行い、米国、日本、台湾、韓国からのテクノロジー企業の誘致活動も展開している。
Alchipの副社長ピーター・テン氏は、ベトナムを技術力に優れた人材供給拠点として高く評価し、同国の半導体分野での国際的地位向上に大きな期待を寄せた。ベトナム財務副大臣グエン・ドゥク・タム氏もまた、官民協力によるエコシステム形成を称賛し、今後の財政的・制度的支援を約束した。
このセンターは、ベトナムが世界の半導体サプライチェーンにおいて存在感を高め、東南アジアの半導体技術拠点となるための重要な布石となる。
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