ハザン省の特徴
本レポートでは、ベトナムのハザン省の概要を網羅的に解説する。
地理
ハザン省はベトナムの最北端にある山岳国境省である。北と東で中国に接する全長274キロの国境線がある。国道2号線に沿って、ハノイから北に320キロ離れている。
人口
ハザン省は山岳地域のため、人口が少なく、ほとんどはモン族である。同省の総人口は88,7万人(2021年)で、そのうち都市部の人口が14万人(15,82%)で、農村部の人口が74,6万人(84,18%)である。人口密度は低く、約112人/㎢である。
労働資源と平均給与
2019年の統計によると、同省の15~49歳の労働力は36,1万人で、そのうち若者が15万人(総人口の28,82%、総労働力の50,6%)である。2015年~2019年の間、ハザン省において仕事を提供された労働者数は年間で1万人以上である。
最低賃金について、ハザン市(地域III)が最高で364万ドン/月であり、残りの地域(地域IV)が325万ドン/月である。
インフラ
道路:ハザン省は東北部において空港や高速道路がない唯一の省である。しかし、中国との国際国境ゲートが2つあり、商品を通関するための窓口がある。
水路:ハザン省にある川は紅河に属し、密度が高い。ほとんどの河川は不均一な深さで、急勾配・激しい急流がある。
産業の強み
農林業:山岳地域で、面積4分の3が山と丘であり、自然な植物や森に優しい環境を持つ。森はハザン省の経済面の強みであると言え、地域ごとに異なる気候と土壌があり、様々な植物を育てることに適している。
- 北部の岩の高地:温暖な気候で、温帯植物(薬用植物カルダモン、プラム、モモ、ナシ、リンゴなどの果樹)の栽培に適している。
- 東部の岩の高地:豆類・ジャガイモ・コイン・米などの農産物
- 低山の部:熱帯植物、紙の原料である木、柑橘類の木(レモン、オレンジ、ミカンなど)の栽培に適する。省内の竹の生産量が最大である。ハザン省のShan Tuyen茶が台湾・日本・欧米などに輸出されている。
観光: 2010年に世界中のジオパークと認められたドンバン岩の高原は同省の観光の代表である。その他、Hoang Su Phi畑、洞窟、岩場、お寺、山岳地域の市場などが観光地として有名である。
ハザン省の経済発展状況
本章では、ハザン省の経済を解説する。
経済成長
ハザン省の経済成長率は5,05%(2021年)であり。同省のGRDP(2021年)は27,1万億VNDに達した。
1 人あたりの国内総生産 (GRDP) は 年間で3,070 万 VND人で、2020 年に比べて 120 万 VND 増加した。
経済構造:農林水産業が32,8%で、工業・建設業が24,94%で、サービス業が42,26%である(2021人の統計によると)
企業数
2021年末時点、ハザン省の総企業数は1182社で、そのうち新規設立企業は138社である。
2021年の5月時点で、ハザン省はFDI誘致について63省の中で62位となり、FDIプロジェクトは合計6件、登録された送金額が410万ドルとなった。
投資誘致のプロジェクト
ハザン省は現在、強みを持ち潜在的発展可能性が高い分野に投資を誘致している。具体的には、ハイテク農業・有機製品(オレンジ、モモ・ナシなどの温帯植物、Shan Tuyet茶、薬用植物、ソバ、黄牛、黒豚、ミントハニーなど)である。特に、タントゥイ国際国境ゲートの経済地区へ投資を誘致している。
その他、ハザン省はサービス業・ミネラル加工・観光業にも投資誘致を促進している。
ハザン省における日本企業の投資状況
現在、日本に製品を輸出する政府のプロジェクト以外、ハザン省に投資している日本企業はない。2021年12月時点、そばの原料にするため、ハザン省のソバが初めて日本に輸出された。その他、特定技能人材、観光紹介・促進などの分野においてハザン省は茨城県守谷市と茨城県との友好協力関係を確立した。
関連情報
ハザン省の計画投資局
- ウェブサイト: http://skhdt.hagiang.gov.vn/
- 住所: 188 Tran Hung Dao通り、Nguyen Trai区、ハザン市、ハザン省
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