2025年8月、ベトナムの首都ハノイ市における輸出額は119億米ドルを超え、前年同期比12.3%増を記録した。特筆すべきは、輸出を主導したのが外資系企業ではなく、ベトナム国内資本による内資企業であった点である。内資企業の輸出額は68億米ドルに達し、外資系企業(FDI=外国直接投資、Foreign Direct Investment)部門の51億米ドルを大きく上回った。これはベトナム企業の競争力向上と自立性の強まりを示す象徴的な成果である。
主要輸出品は機械設備、輸送機器、繊維製品、農産物であり、特にベトナムの機械・部品輸出は39%増、輸送機器は33%増と、高付加価値産業の成長が顕著である。背景には世界経済の回復やCPTPP・EVFTAといった自由貿易協定(FTA)の活用があり、ベトナム企業は米国や欧州のみならず、ロシアやアフリカといった新興市場への展開を積極的に進めている。代表的なベトナム企業であるハプロ社は80カ国・地域に輸出市場を拡大し、原料供給地や加工工場を整備して品質管理を強化している。また、ベトナム繊維業界ではVITAS会長のブ・ドゥック・ザン氏が、FTAを最大限に活用し輸出競争力を高めていると強調している。
こうした成果を支えるため、ハノイ市は輸出成長率7%を目標に掲げ、商工局を中心にベトナム製品の輸出ブランド展示会やオンライン商談会を開催している。2025年の輸出ブランド展示会では農産品、食品、工芸品、繊維製品が出展され、輸入業者や海外の商務官とベトナム企業を直接結ぶ場となった。さらに市はAEONやMM Mega Marketといった国際小売企業との連携、越境ECの推進を強化し、ベトナム製品の国際市場での認知向上を図っている。
商工局長ヴォー・グエン・フォン氏は、これらの取り組みが「Made in Vietnam」ブランドの確立と持続的な輸出拡大につながると強調しており、今後の課題としては国際市場の需要変動や新規市場での販路開拓が挙げられる。ベトナム企業の成長は、首都ハノイのみならず全国の輸出産業の活性化にも大きな影響を与えると期待される。
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