ベトナム政府は2025年8月12日、ファム・ミン・チン首相が署名した首相電報133号により、停滞している電力プロジェクトの処理を8月中に完了するよう指示した。対象は電力計画第8版(PDP8)の修正版に基づく電源投資案件であり、とりわけ外国投資家が関与するガス火力発電所や風力発電所が含まれる。ベトナム政府は経済成長率を2025年に8.3〜8.5%とする目標を掲げており、エネルギー供給の確実性は達成の前提条件と位置付けられる。
ベトナム商工省は、電力直接購入制度(DPPA)の導入を含む規制改正を2025年8月中に取りまとめ、再生可能エネルギーや新エネルギーの開発促進、自家発電・自家消費の制度整備を進める必要がある。またベトナム電力公社(EVN)および投資家間で合意形成が進まない太陽光・風力発電プロジェクト173件についても解決が求められる。これらの案件は商業運転開始(COD)前に検査承認を得ていない状態で系統に接続された経緯があり、価格設定や認可を巡り調整が難航している。
2025年初頭にはベトナム国内外の投資家が関与する44件超の再生可能エネルギー案件について、関係団体とともにベトナム政府に二度にわたり要望書を提出したが、処理が停滞していた。今回の指示は「期限付き最終通告」とも言える性格を持ち、長期化する電力案件の停滞を打開することで、電力供給の安定性を確保し、外資導入を含むエネルギー投資の信頼性を高めることが期待される。今後は8月末までに制度改正案および案件処理状況が報告される見通しである。
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