ベトナム国内では、カーボンニュートラル(Net Zero)達成に向けた国際的な潮流とともに、農業副産物を活用した「グリーン製品」の開発が加速している。AirX Carbonなどの企業は、ココナッツ繊維やコーヒー殻などの農業廃棄物から生分解性のパレットを製造し、物流業界の脱炭素化に貢献している。この「NetZero Pallet」は、年間150万枚の生産能力を有し、1枚あたり34kgのCO₂を吸収できるとされ、企業の温室効果ガス削減に具体的な成果をもたらしている。
グローバル展開するハイネケン・ベトナムでは、再生可能エネルギー導入や電動フォークリフトの利用などに加え、このようなバイオパレットの導入により、2030年の製造部門カーボンゼロ、2040年の全体サプライチェーンの脱炭素化を目指している。
繊維業界でも同様の動きが見られ、Faslink社はパイナップルの葉から抽出した天然繊維「PINALINA」を製品化し、農家の副収入確保と環境負荷軽減の両立を図っている。これらの製品は「Made in Vietnam」の名のもとに、輸出にもつながっており、持続可能なビジネスの象徴となりつつある。
しかし、グリーン製品開発には課題も多い。原材料の安定調達、品質ばらつき、価格競争力の不足、さらには「グリーンウォッシュ」への懸念などが指摘されている。また、環境貢献など非金銭的価値を政策として評価・支援する枠組みが不十分であることも問題視されている。
専門家からは、カーボンクレジットなどの手段を用いた定量評価制度の導入や、原材料の標準化・供給体制整備を地方行政が支援すべきとの提言もなされている。
ベトナム発のグリーン製品は、国際市場での存在感を高めるとともに、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への転換を牽引する存在になりつつある。農業副産物の高度活用と、企業・政府・国際パートナーの連携強化が、今後の成長を左右する鍵となる。
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