ベトナムの半導体産業とAI分野の成長
ベトナムの半導体産業は急成長しており、Gartner(ガートナー)の予測によると、世界の半導体市場は2030年までに1兆ドル規模に達する可能性がある。ベトナム政府は科学技術の発展、イノベーション、デジタル変革を最優先事項とし、官民一体での推進を求めている。
現在、ベトナム国内ではIntel、Samsung、FPT、Viettelなど50社以上のベトナム企業が半導体設計に関わり、15社以上がパッケージングやテスト、材料・装置製造を行っている。特にFPTは医療分野向けの半導体チップを開発し、Viettelは5G機器向けのチップを生産している。また、ベトナムは米国のCHIPS法に参加する6カ国の一つに選ばれ、グローバルな半導体サプライチェーンにおいて重要な役割を果たしている。
AI分野でもベトナムは有望な市場とされ、多くのベトナム企業が国際的な評価を受けている。Nvidia、Microsoft、Googleなどの大手テクノロジー企業がベトナムに研究開発センターを設立し、AI技術の発展を支援している。さらに、Lam Research、Marvell、ARM、AMDなどの半導体企業が投資を拡大しており、ベトナムのスタートアップエコシステムの成長を促進している。
現在、ベトナムには約210の海外ベンチャーキャピタル(VC)ファンドが参入しており、投資件数ではインドネシア、シンガポールに次ぐ東南アジア第3位となっている。ベトナム政府は、Nvidiaなどの企業を誘致し、技術移転と高品質な人材育成を推進する計画を進めている。また、FDI(外国直接投資)の加速のため、特別投資手続きの導入や「グリーンチャンネル」制度の整備を提案し、企業のコスト削減と迅速な事業展開を支援している。
一方で、米国のCHIPS法は半導体製造企業に税制優遇や補助金を提供し、国内生産を促進している。IntelやTSMCなどの企業は、この制度を活用して米国内に新たな生産拠点を設立している。今後、米国政権が交代しても、この政策が継続される可能性が高く、世界の半導体産業に大きな影響を与えるとみられている。
