ベトナムのFDI動向と2025年の展望
ベトナムは近年、外国直接投資(FDI)の誘致において良好な成果を収め、2024年も高い期待のもとでスタートした。2024年のFDI総額は38.23億ドルで前年比3.0%減少したが、新規投資案件は3,375件で1.8%増加し、既存プロジェクトの追加投資額は50.4%増加した。特に半導体、エネルギー、ハイテク分野での大型投資が経済構造の転換を後押ししている。シンガポール、韓国、中国、日本などが主要投資国であり、ベトナム北部の工業地域を中心に投資が拡大している。
2024年末時点で、累計FDI額は5028億ドルに達し、主に製造業、不動産、電力供給分野に投資されている。また、FDIによる輸出は総輸出額の71.8%を占め、貿易黒字の大半を支えている。政府はFDI誘致のための環境整備を進め、特に貿易協定の拡大やビジネス環境の改善に注力している。
2025年のFDI見通しは明るく、ASEAN全体のFDI増加傾向を背景に、ベトナムへの投資も拡大すると予測される。特に、貿易摩擦の影響で投資の多様化が進む中、FTAネットワークの強みを活かし、外国企業の進出が加速すると考えられる。FDIの増加により、技術移転や輸出競争力の向上が期待され、ベトナム企業の国際市場での適応力強化にもつながる。
一方で、FDIの質を向上させるための課題も残る。地域間の競争の調整、新規経済モデルへの法整備、環境基準の明確化、グローバル税制への対応などが求められる。今後、ベトナムは投資環境のさらなる改善、規制緩和、行政手続きの簡素化、労働生産性の向上に取り組むことで、持続可能なFDI誘致を目指す必要がある。
