ベトナム水産物のアメリカ市場における機会と課題
ベトナムの水産物は、反ダンピング税などの厳しい保護政策に直面しながらも、アメリカ市場での需要の大きさと品質向上により、その地位を維持し、拡大している。
過去5年間のアメリカ向け水産物輸出額は年間15億~21億米ドルに達している。VASEP(ベトナム水産業協会)は、ドナルド・トランプ政権下のアメリカの貿易政策が、ベトナムの水産物輸出に機会と課題をもたらすと予測している。特に米中間の貿易戦争が進行する中で、アメリカの輸入チェーンやサプライチェーンに変化が生じることが考えられる。
具体的には、アメリカが中国からの水産物輸入を減少させ、代替供給源としてベトナムが選ばれる可能性がある。ベトナムの主力輸出品であるエビやスズキは、アメリカ市場で大きな需要がある。アメリカが中国産水産物に対する関税を引き上げることで、ベトナム産エビやスズキが中国産に取って代わるチャンスが生まれるとされている。この状況により、ベトナムの水産物のアメリカ市場への輸出は成長する見込みである。
しかし、VASEPの会長であるグエン・ティ・トゥ・サック氏は、ベトナムの水産業者が米中貿易戦争から得られる機会を活用する一方で、アメリカの貿易防衛措置にも直面することになると警告している。これには反ダンピング税や補助金禁止税、さらには厳格な製品品質要件が含まれる可能性がある。トランプ政権下では、アメリカ政府は食品安全や品質基準に関連する保護策を強化した。その結果、ベトナムの水産物輸出業者はより厳しい食品安全基準を遵守しなければならず、生産コストや検査費用が増加することが予想される。
