持続可能な繊維産業の実現に向けた企業、政府、消費者の役割
ベトナムの繊維業界が発展していくために、以下、企業側、政府側、消費側、それぞれに求められる役割・機能をまとめた。
企業側
設備や技術の向上に積極的に投資し、特にデータ収集と管理に関する情報技術を導入することが求められている。RFT(Right-First-Time、初回正確率)の向上を図り、95~98%を目指す(IT導入がない場合は70~80%にとどまっている)。また、生地の展開やカット工程にロボットを活用することで、労働力を最大80%削減し、材料も3%節約することが可能となる。さらに、大規模なグリーン工業団地の建設が求められている。これには、環境保護のための排水処理システムが含まれる。中小企業は、財政力が限られているため、業界内または工業団地内の他の企業と連携を強化し、処理やリサイクル、再生産において相互支援を図ることが重要である。
ベトナム政府側
ベトナム政府は、より具体的な支援として、繊維業界におけるCSC(循環型サプライチェーン)のモデルの標準化と普及を促進するための広報活動や研修、技術支援をさらに強化する必要がある。また、CSC開発のための投資プロジェクトへの融資アクセスの拡大や、グリーン投資プロジェクトに対する人材育成や研究支援も重要である。さらに、国際基準を参考にして繊維産業における廃棄物、エネルギー消費、水利用、材料および化学物質(製造における禁止物質リストや健康および安全基準の遵守)の基準と指標を定期的に見直し、更新する必要がある。環境法に違反する行為に対しては厳格な監視と処罰が求められる。加えて、ベトナム繊維協会の役割も非常に重要であり、国際機関と協力して中小企業が循環型サプライチェーンへの移行を支援するプロジェクトの構築と実施を行う必要がある。
消費者側
消費者は、社会や環境に対する消費の責任についてより深く認識することが求められる。消費者は循環型で持続可能なサプライチェーンへの意識を高めることで責任感と環境保護意識を高め、持続可能な価値を持つ製品の使用への移行を推進する必要がある。
