ベトナムも注視するEUの新たな環境政策CBAMとEUDR
EUが策定したCBAM(炭素国境調整メカニズム)やEUDR(EU Deforestation Regulation)を把握し、理解することは非常に重要である。これにより、企業は輸出計画、対策、ロードマップを策定し、輸出市場の拡大に取り組むことができる。
商工省貿易促進局によると、欧州は森林伐採に関連する商品の主要な輸入市場である。このため、EUは、EU市民の購入する商品が、森林や森林面積の削減に繋がらないよう規制することにした。
EUDR(森林減少および劣化規制)は、森林伐採に大きな影響を与える商品や、そこから派生する商品(コーヒー、カカオ、大豆、パーム油、家畜、木材、木製品など)を規制の対象としている。これにより企業は、2020年12月31日以降に伐採または劣化した土地で生産された商品でないことを証明するための検査を行う義務を負う。
また、CBAMは、気候変動問題に対処し、産業界での公平な競争を確保することを目的としている。CBAMは2023年10月1日から移行期間が始まっており、2026年から完全実施される予定である。
商工省貿易促進局によると、EUは2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げている。しかし、EUは企業が排出基準の緩い国に生産を移転することで「炭素漏れ(Carbon Leakage)」を引き起こし、EUと世界全体の気候目標が著しく損なわれることを懸念している。
CBAMは、高排出量の商品(セメント、アルミニウム、鉄鋼、肥料、水素、電力など)に炭素価格を適用する。この規定の目的は、「炭素漏れ(Carbon Leakage)」を防ぎ、EUの排出権取引制度(ETS)により炭素コストを負担している産業の競争力を維持することにある。
そのため、商工省貿易促進局は、CBAMの対象となる輸出企業に対して、この規定の財務的影響を慎重に評価するように推奨している。
商工省貿易促進局は、2024年8月16日に、グリーン輸出の能力を向上させるためのトレーニングプログラムを開催する。このプログラムでは、EUDRとCBAMの概要を紹介し、これらの規定が輸出に及ぼす影響、ベトナム企業に対する機会と課題、他国でのEUDRおよびCBAMの実施状況を学び、そして業界別のEUDR適用ガイドラインなどが共有される。さらに、EU市場やその他の市場に関する情報、EUDRおよびCBAM適用下での輸出成功事例や失敗事例についても学ぶ機会が提供される。
