電気料金4.5%上昇
ベトナムでは2023年に、電気料金が2度上昇した。ベトナム電力会社(EVN)によると、値上がりにより貧困世帯や、社会的支援を必要とする家庭などには影響がないと述べた。
EVNの決定1416号によると、2023年11月9日以降、電力価格は1,920.37ドンから2,006.79ドン/kWh(VAT含まない)に調整され、4.5%(86.42ドン/kWh)上昇した。
電気料金は依然とし生産コストを下回る
2022年、EVNは26兆ドン以上の損失を記録した。今回の電力価格の引き上げは、コストを完全に補填するものでないが、EVNの財政難をある程度軽減する手助けとなると期待されている。EVNの会計責任者であるグエン・ディン・フック氏によると、新しい価格は未だコストよりも低いが、EVNの負担を3.2兆ドンの収益をもたらすと述べている。
EVNは、2023年の電力生産および事業コストは約2098ドン/KWhと見積もっている。
燃料価格の高騰が主な要因で、石炭輸入は2020年と比較して186%増加し、国内石炭は2021年の価格と比較して30%-46%増加しており、石油価格も2021年と比較して18%上昇し、外国為替レートの約4%の上昇もEVNの生産コストに影響を与えている。さらに、比較的に電力生産コストが安価である水力発電の生産量が170億KWh減少した。
新たな電気料金体系
商工省副大臣のグエン・シン・ニャット・タン氏は、11月9日から適用される新しい電気料金体系に関する決定2941号に署名した。この新しい料金体系は、以下のようになる:。
- 第1段階(0 – 50 KWh) :1,806ドン(旧価格1,728ドン)
- 第2段階(51 – 100 KWh) :1,866ドン(旧価格1,786ドン)
- 第3段階(101 – 200 KWh):2,167ドン(旧価格2,074ドン)
- 第4段階(201 – 300 KWh):2,729ドン(旧価格2,612ドン)
- 第5段階(301 – 400 KWh):3,050ドン(旧価格2,919ドン)
- 第6段階(401 KWh以上):3,151ドン(旧価格3,015ドン)
今後のEVNは?
ベトナムの電気料金の上昇は、国内経済にとって重要な変化である。この価格上昇は、EVNの財政難の軽減には寄与するものの、コストとのバランスを取るためのさらなる努力が必要であることを示している。今後、この電力価格の上昇がどのような影響を及ぼすか、注目が集まっている。