2026年度年次株主総会において、マサン・ハイテック・マテリアルズ (MSR) は、単なる採掘企業から世界規模のタングステン精錬拠点へと転換する戦略を発表した。タイグエン省のヌイファオ (Nui Phao) 鉱山に10年間で7億米ドル(約1,114億円)を投資した結果、同社は現在、中国国外におけるタングステン供給の約21%を占めている。タングステンは、半導体チップ、高出力電子機器、AI向けデータセンターの製造に不可欠な戦略物資である。
2026年第1四半期の業績は、タングステンの中間製品であるAPT価格の急騰により、税引き後利益が約5,370億ドン(約34億円) に達し、既に2025年通期の利益を上回った。同社は2026年の売上目標を最大20兆3,000億ドン(約1,280億円 )に設定しており、ホーチミン証券取引所 (HOSE) への上場移管も計画している。新戦略のポイントは、ヌイファオの施設で自社鉱石のみならず、外部から調達した原材料の精錬も行い、年間9,000トンの精錬能力を最大限に活用することにある。

出典: VNEconomy
4種類の金属(銅、蛍石、ビスマス、タングステン)を一括回収するモデルにより、タングステンの利益率は25%を超えている。この事業拡大は、グローバルな戦略物資サプライチェーンにおけるベトナム企業の地位を固めるだけでなく、ハイテクおよび半導体産業の爆発的な成長の波を捉えるものとなる。
