ベトナム・バクニン省(北部にある主要な農業・工業拠点)の2026年産ライチは、量から質への大きな転換期を迎えている。天候の影響で生産量は約9万5,000トン(計画比約60%)にとどまる見通しであるが、大粒で果肉が厚く、糖度も高いなど、品質は例年になく良好である。

出典: Vietnamplus
日本や米国、欧州連合(EU)といった厳格な市場の要求に応えるため、同省は現在、241件の生産地域コード(計1万7,450ヘクタール以上)と42件の輸出認定梱包施設を管理している。主要産地のフックホア(Phuc Hoa)社やチュー(Chu)坊では、ベトナム農業実務規範(VietGAP)や国際水準のGlobalGAP、有機栽培が厳格に適用されている。農家は電子タグによるトレーサビリティや肥料・農薬の管理を徹底し、製品の均一性と安全性を確保している。
市場動向については、主要輸出先である中国に加え、5月初旬にはカナダへの初出荷が行われた。また、2026年5月中旬からハノイ照射センターが米国側より生鮮果実の処理施設として認定されたことで、物流コストの削減と北米市場への拡大が期待されている。物流面では、ベトナム大手物流企業のベトテル・ロジスティクス (Viettel Logistics) が冷蔵コンテナ車を300台以上に増強し、最盛期に対応している。同省のファム・ヴァン・ティン副主席は、市場の多角化、加工品(冷凍ライチ、ジュース等)の開発、電子商取引の活用を軸に、ライチの付加価値を高める戦略を強調している。
