2026年に入り、ベトナムの二輪車市場は量的拡大から質的成長へと大きく転換している。排出ガス基準の強化や低排出ゾーン(LEZ)の導入が進み、内燃機関車から電動バイクへの移行が本格化している。
ハノイでは、2026~2027年に環状道路1号線および重点地区でLEZを試行し、2028年には環状道路1号線全域と一部2号線へ拡大、2030年には環状道路3号線内側の大部分を対象とする計画である。こうした政策圧力により、電動バイクは補完的存在から市場の中核へと位置付けが変化した。
市場にはビンファスト(VinFast)、ヤデア(Yadea)、ホンダ、ヤマハ、ペガ(Pega)などが参入している。中でもビンファストは、全国で数十万規模の充電網を構築し、2026年第1四半期までに34省市で4万5,000基のバッテリー交換ステーションを展開する計画で、インフラ面で優位性を持つ。ガソリン車で約80%の市場シェアを占めるホンダも、2026年初頭から公共バッテリー交換サービスの運用を開始した。
商工省によると、電動バイクの販売台数は近年30~35%増加しており、ベトナムはASEAN最大、世界では中国に次ぐ第2位の電動バイク市場となった。加えて、消費者は移動手段としてだけでなく、スマート機能や安全性を重視する傾向を強めている。これらの動きは、ベトナム二輪市場が構造的な再編段階に入ったことを示している。
