ベトナムのドンナイ省は、広大な土地を有する「備蓄地域」から国際的な接続拠点へと転換する戦略により、南部重点経済地域の新たな成長エンジンとしての地位を固めている。同省は、大規模な土地基金と同期された交通インフラの利点を活かし、次世代の投資資金にとって優先的な目的地となっている。
戦略的な要点は、ベトナムゴム工業グループ(Vietnam Rubber Group:ゴム産業を管理する大規模国有企業)が保有する27万ヘクタール超のゴム園跡地をインフラ開発に活用することである。この土地基金からは、ロンタイン国際空港の「巨大プロジェクト」に5,000ヘクタールが提供された。2026年末の供用開始後、空港周辺には4万3,000ヘクタールの空港都市と7,500ヘクタールの自由貿易区が形成され、国際水準の物流・金融・サービスエコシステムが構築される見通しである。
産業の方向性については、従来の工業団地からエコ工業団地(EIP)や航空宇宙、半導体、AI(人工知能)に特化した工業団地への大胆な転換を進めている。現在までに51カ国から430億米ドル(約6.7兆円)以上の投資を誘致しており、日本は最重要パートナーの一つである。また、ベトナム有数の農産物・畜産拠点としての側面も持ち、日本の投資家にとってハイテク農業や食品加工分野でのビジネスチャンスも大きい。近代的なインフラと豊富な開発用地の組み合わせは、日本企業が市場調査や投資連携を開始する絶好の機会と言える。
