ベトナムのコーヒー産業は、サプライチェーンの付加価値を高めるため、未加工豆の輸出から「深加工(二次加工)」への戦略的転換を急いでいる。2024/2025年度の生産量は150万トンを超え、輸出額は84億米ドル(約1兆2,800億円)以上に達した。しかし、未加工豆の平均輸出価格が1トン当たり5,610米ドルであるのに対し、焙煎・インスタントなどの深加工製品は9,760米ドルに達しており、製品構造の転換による収益向上の余地は極めて大きい。

出典: Nguoi Lao Dong
現在、欧州連合(EU)はベトナムにとって最大級の輸入市場であり、輸出額は32億米ドル(約4,800億円)に上る。一方で、欧州森林減少防止規則(EUDR)やトレーサビリティ、持続可能な開発といった規制強化が大きな障壁となっている。ベトナムコーヒー・カカオ協会(Vicofa:主要な業界団体)の専門家は、文化的なアイデンティティを組み込んだ「製品ストーリー」の構築と、栽培地域のデータ基盤整備が不可欠であると強調した。また、輸出額の70%を占める外資系(FDI)企業に対抗し、国内企業の競争力を高めるためには、銀行システムによる実質的な金融支援も重要な鍵となる。
