ベトナム政府は、法人所得税制度に関する政令を改正し、企業課税の枠組みに複数の変更を加えた。改正は、納税対象の範囲や非課税所得、損失の繰越、損金算入のルール、税率、税制優遇措置など、法人所得税制度の幅広い項目に及び、2025年の課税年度から適用される予定である。
本改正の最大の焦点は、企業支援を目的とした優遇税率の導入である。具体的には、年間売上高30億ドン(約1,800万円)以下の超小規模企業には15%、売上高30億〜500億ドン(約1,800万〜3億円)の中堅企業には17%の税率が適用される。また、イノベーション促進に向け、科学研究およびデジタルトランスフォーメーション(DX)にかかる費用は、実際費用の200%まで損金算入が可能となった。さらに、科学技術発展基金の最大積立率も20%に引き上げられている。
電子商取引(EC)およびデジタルプラットフォームへの課税管理も強化され、外国企業はベトナム国内の恒久的施設(PE)の有無にかかわらず、納税義務を負う。ECサイト運営者には、これら外国企業に代わって税を源泉徴収・納付する義務が課される。損金算入の要件となる非現金決済の基準額については、従来の2,000万ドン(約12万円)から500万ドン(約3万円)へと大幅に引き下げられた。その他、農産物、カーボンクレジット、グリーンボンドに関する免税措置が拡充されたほか、5年間の欠損金繰越原則が明文化された。本規定は、市場の透明性を高め、ハイテク分野やグリーン経済への投資を誘致しようとするベトナム政府の強い姿勢を反映している。
