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【徹底解説】ベトナムの化粧品市場:業界の最新トレンド

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ベトナムの人口構造が化粧品市場拡大の要因に

ベトナムの人口の大半は、化粧品に対して強い関心を抱いている。ベトナムに限らず多くの女性は化粧品に常に強い関心を抱いている。ベトナム統計総局のデータによると、2019 年の女性人口は 4,830 万人で、総人口の 50.2% を占めている。 この中でも化粧品の購買意欲が最も高い20~49歳の年齢層の女性は、現在のベトナムにおける女性の人口構造において最大の割合となっている。

また経済発展と共にベトナム人女性が化粧品を使用する頻度は増加している。Q&Meが実施した調査によると16歳以上のベトナム人の80%以上が化粧品を日常的に使用しており、23歳以上の女性の40%以上が毎日欠かさずスキンケアを行っているという。

ベトナム人の化粧品への支出額

ベトナムの経済社会の発展に伴い、ベトナム人の女性労働者の収入も急速に増加しており、健康や美容に対する意識も大きく変化している。 Nielsen の調査によると、ベトナムの化粧品の市場規模は年間約 15 兆 VND (約 7 億USD) である。ベトナムの消費者は化粧品に平均して毎月 4 USDを費やしている。 これは他のアジア諸国と比較しても高額ではないが、ベトナムは過去 10 年間の東南アジアで最も成長している化粧品市場の 1 つである。

さらにVIRAC の調査によると、ベトナム人女性の化粧品への平均支出は、前述のNielsenの調査結果とほぼ同様に、1 か月あたり 101,000 ~200,000 VND である。またVIRAC の調査では、ホーチミンやハノイを始めとする大都市の女性が、他の地域の女性よりスキンケア製品や化粧品をより多く購入していることも判明している。特にホーチミン市の女性はスキンケア関連製品への平均支出が約300,000VNDにも達しており、突出して高くなっている。

ベトナム人が購入する化粧品を選ぶポイント

ベトナム人女性は、化粧品の購入前に、多くの要素を検討する。Picodi.comの調査によると、ベトナム人女性が化粧品を購入する際に最重要視することは、価格、ブランド、成分の3つである。この消費傾向は日本にも通ずるものであるだろう。また「有名人のおすすめ」の割合もSNSや動画配信サービスの普及によって増加している。特にベトナム人はSNSの利用時間が他国と比較しても多く、芸能人のアカウントやYouTubeチャネルは高い人気を集めている。そうした多くの「インフルエンサー」たちが女性たちの化粧品の購買意欲の押し上げに一役買っている。

ECの普及が変えたベトナム人の購買行動

ECサイトの普及により、化粧品を購入する際の行動様式も変化した。 これまでベトナム人の女性は、化粧品を専門店や大手ドラッグストアで直接購入したり、海外旅行の際に現地で直接購入することが多かった。しかし昨今のコロナ禍の影響で、メーカーの公式サイトやShopee、LazadaなどのECサイトでの消費が増加した。

現地報道によると、EC 利用者の21.2% がEC チャネルを通じて化粧品や健康食品を日常的に購入しているという統計結果がある。これは電子製品に次いで 2 番目のシェアである。 またONE-VALUE株式会社が実施した25~50歳のベトナム人女性へのインタビューの結果、輸入化粧品は国産化粧品より品質が高いと認識されていることが判明した。それに関連して、輸入化粧品をメーカーのホームページから直接購入したいという回答も多く見られた。SNSなどでも海外産の輸入化粧品は多く出回っているが、本物であるかの判別がつきにくいため、信頼できるメーカーから直接購入したいと考える消費者が多い。

ベトナムで人気のある化粧品の生産国

韓国、EU、アメリカ、タイなどに並び、日本の化粧品ブランドはベトナムで非常に人気がある。 ホーチミン市化粧品化学協会のデータによると、現在ベトナムで最も売れている化粧品は韓国のもので、全体の3割を占める。2位はEUで23%を占める。日本 は17%で3番目である。タイ とアメリカはそれぞれ13%、10%を占めている。

日本の化粧品は含有成分や効果、さらに用いられている最新技術の点で高く評価されてる。他国で作られた化粧品と比べると高額であるが、日本の化粧品を購入するベトナム人は少なくない。しかし日本の化粧品は小口で輸入されることが多く、その点に不満を抱いている消費者が多い。

まとめ

ベトナムでの化粧品の需要は高まっており、ベトナムは日本企業にとって大きな市場である。従来の購入チャネルからECチャネルへの移行も多く見られ、輸入化粧品ブランドの人気は高まっている。しかしベトナムの化粧品市場には既に多くのプレーヤーが参入しており、競争は激しくなっている。参入の際には入念な調査と戦略立案が必須である。それでもベトナムには多くのポテンシャルが眠っているので、参入を検討する価値は大いにあるだろう。

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