世界鉄鋼協会(Worldsteel)が2026年5月22日に発表した統計データによると、ベトナムが初めて粗鋼生産量で世界トップ10の強国入りを果たした。同年4月のベトナムの粗鋼生産量は前年同月比4%増の210万トン(約131億円相当の付加価値)に達し、イタリアを追い抜いて世界第10位に浮上した。2026年1〜4月期の累計生産量は850万トンで、前年同期比8.4%増と堅調な成長を維持している。中東情勢の影響でイランの鉄鋼生産能力が低下したことも要因の一つであるが、ベトナムが自力で国際的な重工業地図における地位を確立した意義は大きい。

出典:Vietnamplus
ベトナム鉄鋼業界は、2000年当時のビレット(半製品)輸入依存体制から、現在は多種多様な製品を自給自足できる段階へと飛躍的な発展を遂げた。造船、再生可能エネルギー、国防産業、さらには高速鉄道用レールに至るまで、高度な技術を要する製品の供給が可能となっている。特にホアファット・ズンクアット製鉄複合体をはじめとする現代的な大型製鉄所の稼働が、この成長を支える中核となっている。2025年には2,460万トンの生産量を記録し、東南アジア首位かつ世界11位であったが、2026年には最大手企業であるホアファットグループ(Hoa Phat Group)が生産量を前年比30%増の1,400万トン以上へ引き上げる計画だ。同社およびベトナムスチール(Vnsteel)やフォルモサ(Formosa Ha Tinh Steel)などの主要企業の貢献により、世界トップ10の地位は今後も持続するものと期待されている。
