ベトナムは、国際的なサプライチェーンへの適応と対外貿易の円滑化を目的に、原産地管理の改革を加速させている。ジュネーブで開催された世界貿易機関(WTO)原産地規則委員会の会合において、商工省(国家の貿易・産業管理機関)傘下の輸出入局代表は、法整備と運用面における最新の進捗を報告した。最大の注目点は、現行の政令第31/2018/ND-CP号に代わる新たな政令案の策定である。この新政令では、ベトナムが加盟する自由貿易協定(FTA)のコミットメントを国内法化するため、原産地の「自己証明制度」の導入に重点を置いている。
制度改善と並行し、ベトナムは原産地証明書(C/O)の発行手続きの電子化においても地域をリードしている。電子原産地管理・発行システム(eCoSys)には現在、電子署名とQRコードが統合されており、即時の情報照会が可能である。これにより、行政手続きの簡素化、通関時間の短縮、および貿易不正の最小化が実現されている。また、C/O発行権限を地方の31機関に委譲したことで、企業の公共サービスへのアクセス性が大幅に向上した。
これらの取り組みは、透明性と協力姿勢の観点から、米国やシンガポールなどWTO加盟国から高く評価された。ベトナムに生産拠点を置く日本企業にとって、デジタル化の推進や自己証明制度の活用は、物流コストの最適化や、CPTPP、RCEPといったFTAによる関税優遇措置の更なる活用につながる。原産地規則へのコンプライアンス体制を再点検し、競争力を高める上で極めて重要な局面と言える。弊社では、ベトナム市場における法務コンサルティングや輸出入手続きの支援を通じて、日本企業の円滑な事業展開をサポートしている。
