2025年は、電気自動車(EV)がベトナム自動車市場のほぼ全セグメントで優位に立った転換点の年となった。車両取得コストの低さ、運用費用の安さに加え、充電インフラの急速な整備が進んだことで、EVはガソリン車を上回り、市場構造そのものを変えつつある。
この流れを主導したのが、ベトナム最大手自動車メーカーであるビンファスト(VinFast)である。同社は2025年11月に2万3,186台を納車し、年初からの累計販売台数は14万7,450台に達した。中でもGreenシリーズが販売を牽引し、Limo Greenは単月9,642台という過去最高水準の販売実績を記録した。VF 3、VF 5、VF 6、VF 7も各セグメントで上位に入り、VF 3は11月末時点で4万660台と市場全体で最多販売モデルとなった。
EVの普及は価格競争力の高いA~Bセグメントの小型車で特に顕著であり、低い充電コストが転換を加速させた。サービス車両分野でも、2025年は大都市でガソリンタクシーが急速に姿を消し、Herio GreenやNerio Green、Limo GreenといったEV専用モデルが主流となった。高級車分野でも、欧州および中国メーカーが電動化を進めている。
充電インフラは競争力の中核となり、VinFastが全国の充電ポートの98%以上を占める一方、第三者事業者の参入も進んだ。税制優遇や都心部でのガソリン車規制を背景に、2026年以降、EV市場は安定的かつ選別的な成長段階に移行するとみられている。
