ベトナム科学技術省は、総額30兆ドン(約1,800億円)規模の「国家人工知能(AI)発展基金」設立に向けた議定案を策定している。同基金は非営利で運営され、同省の管理下でAI研究開発、AIモデル開発、商用化までを包括的に支援することを目的とする。初期段階では、国家予算から1,000億ドン(約6億円)が拠出され、各会計年度の初めに同水準の資金維持が保証される。基金は主に「資金提供」と「活動支援」の2本柱で構成される。
資金提供では、AIモデル、ハードウェア、半導体チップ、計算インフラなど、AI産業の中核技術の開発・習得を重点分野とする。活動支援では、データインフラの利用支援や法務コンサルティングなどを通じて企業を支援し、プロジェクト費用の最大70%を補助する。
同基金の特徴は、特例的な財務メカニズムを採用している点である。管理された範囲内でのリスク許容や、緊急性の高い案件に対する簡素化手続が認められる見通しで、AI分野における迅速な研究開発と事業化を後押しする。
また、国家予算に加え、国内外の組織や個人からの合法的な出資も受け入れる方針である。これにより、ベトナムAIエコシステムの構築、共有インフラ整備、オープンソースソリューションの開発分野で、日本のテクノロジー企業にとっても、戦略的パートナーとして参画する機会が広がることが期待される。
同基金の設立により、ベトナムのAI技術力向上が加速し、同国のグローバルAIバリューチェーンへの参画がさらに進むことが期待される。
